出会ったのは、夏休みに一人で旅行に行った時だった。

バス停でその人は一人待っていた。同い年くらいだろうか?
「○○駅行きのバスってここですか?」を声をかけた。
「そうですよ。」少し愛嬌のある顔でニヤニヤと照れ笑いしていた。
隣に座って、共通の趣味について話し合った。
その後、バスに乗り、同じ電車で首都圏へ戻って、一緒に食事をした。
若く見えたが、実際はバツイチでもうすぐ40歳とのことだった。若い時は相当な美人だったんだろうなと思った。

1週間後、夕食アポ。たまたまその人の40歳の誕生日だった。
食事後、何も言わずにホテルへ誘導。ホテル前で「彼氏がいるから」グダがあったが、耳⇒首筋⇒唇の順番でキスし、なんとかホテルイン。40歳に見えない美しい裸体だった。

その後、2人で1泊の温泉旅行に行った。お互い性欲が強く、SEXは異常に盛り上がった。
しかし、3回目の旅行の時、周りの若いカップル達を見て、自分がふと悲しくなった。
SEX中も、もはやあまり興奮していない自分に気づいた。

先週のこと。「明日夕食を一緒に食べない?」と、珍しくLINEが来た。急に会いたくなったとのこと。
彼女のことが好きだからもちろんすぐにYESと返事したものの、その一方でなぜか面倒くさいなと感じる自分がいた。
夕食後、ホテルへ。でも、イケなかった。というか、たたなかった。
「彼氏に悪いし、もう会わない方がいいかもしれない」といつものように彼女は言った。
こういう時いつも僕はスルーしていたが、このときはじめて「確かにもう会わない方がいいね」とぽつりと僕の口から出た。
その瞬間、急に涙が溢れて止まらなかった。2人で一緒に過ごした光景が次から次へとフラッシュバックしてきた。
最初は遊びのつもりだったが、だんだんと彼女のことが心から好きになってしまっていた。
でも一方で、身体の方はもう魅力を感じなくなっていた。

服を着てホテルを出る準備をしている時の、彼女の少し寂しげながら穏やかな横顔が印象的だった。
欲しくても子供に恵まれず、旦那の浮気で離婚して、40歳を迎えた彼女がいつも不憫だった。
でも自分には彼女を幸せにしてやることもできず、そのことを心から謝った。
最後に、彼女はずっと泣き続ける僕にこう言った。「出会いあれば、別れあり。お互い幸せになろうね。」

これから先、彼女ほど相性の良い人に果たして出会えるのだろうか?
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